小学校歯科健診と、6月の院内研修

先週木曜日、私が学校歯科医を担当する山崎小学校で、今期2回目となる歯科健診を行いました。

今回は4年生と6年生の2学年の健診でした。

 

コロナ禍でマスク生活が当たり前になっていた影響もあるのか、口呼吸になっている児童が多くみられました。

口呼吸は口腔乾燥により唾液の抗菌作用が減弱し、歯肉炎やむし歯になりやすくなってしまいます。

また低位舌となり口腔機能・歯並びにも悪影響をもたらします。

健診結果としてGO(ジーオー:軽度の歯肉炎)、CO(シーオー:歯の白斑・着色などごく初期のむし歯)の児童が多くみられました。

 

今回も当院の研修医のお一人に記録のお手伝いをお願いしました。

 

お世話になっている養護の先生と

お姉さんのような研修医が同行してくれる事で、学生さんたちもリラックスして健診を受けてくれました。

研修医のお2人にとっても今回の歯科健診は、通常の研修では得られない貴重な経験になったようです。

 

 

さて、続いて6月の院内研修のご報告です。

当院は月に一度、診療時間を調整して全体ミーティングと院内研修を行っています。

 

先日の研修では訪問診療チームに、最近の訪問診療・訪問口腔ケアに関する報告を行なってもらいました。

 

 

 

年々訪問診療の依頼が増え、現在は当院の診療の大きな柱となっていますが、外来診療とはシステムも治療の内容も大きく異なります。

 

 

外来診療が設備の整った医院で患者さんをお迎えするのに対し、訪問診療は施設や居宅にこちらがお伺いし、限られた空間と設備で最大限の治療を施すという点が大きく違います。

 

 

 

改めて、訪問診療ならではの工夫や苦労、そしてやりがいなどを報告してもらいました。

 

当院の特徴として、歯科衛生士は訪問専門ですが、ドクターは外来診療を行う歯科医師が曜日ごとに訪問を担当しています。

外来通院されていた患者さんが訪問診療に移行したとしても、いがらし歯科医院の外来診療の治療を実践しており、その方の治療経過を知っている歯科医師が継続して診察を担当し続けることが、かかりつけ歯科医院の本来のあるべき姿だと考えるからです。

 

また、外来診療を担当する歯科医師が訪問先で、治療困難な状態の患者さんのお口の環境を見ることで、外来通院中の患者さんに何をすべきか、どのように治療することで生涯お口のトラブルリスクを軽減できるかを知ることができます。

 

日常の診療に当たる歯科医師・歯科衛生士が、担当する患者さんがこの先もし在宅療養になったとしても、お口の問題の起こりにくい口腔環境が維持できるような治療をする事が、これからの高齢社会に対応するためには必要であると考えます。

 

歯科医師と、交代で訪問診療に同行してくれる歯科助手以外の多くの外来スタッフにとっては、訪問診療の現状に接する機会は多くありません。

今回のような報告の機会を設ける事で理解が深まり、より良い連携に繋がる事と思います。

 

 

訪問診療チームの皆さん、お疲れでした。

 

当院の診療のポリシーは「途切れる事のない口腔管理」です。

これからも、お母さんのお腹の中から始まり、人生の最終章を迎える方まで、常に寄り添える歯科医療の提供を目指して参ります。