学会のご報告

梅雨らしいすっきりしない天気が続いております。

悪天候にも関わらず、ご予約頂いているほとんどの皆様がご来院下さいます。

当院での治療の意義をご理解頂けている証と、スタッフ一同大変嬉しく思っております。

 

さて今回は、6月15日・16日、大阪国際会議場で開催された「日本臨床歯周病学会 第42回年次大会」のご報告をさせて頂きます。

医院での診療も行なっていましたので、歯科医師・歯科衛生士5名で参加して参りました。

 

 

私院長が今回の学会で学びたかった事は以下の項目です。

(専門用語を用いる事をご了承下さい)

・当院でも取り組んでいる歯周再生療法についての最新の知見

インプラント周囲炎の発症予防対策、発症してしまった際の対処法や考え方の現在のスタンダード

歯科医師と歯科衛生士のチーム医療の在り方について他医院での取り組み

・歯周外科のフラップデザインのトレンド

・確実なリッジプリザベーションの術式

・治療説明におけるデジタルデバイスの活用方法

 

 

 

様々な講演や発表を通じて、期待通り多くの学びを得る事が出来ました。

 

歯科衛生士は「ベテラン歯科衛生士の技とコツ」と題した教育講演に参加したり、ケースプレゼンテーションの手法やまとめ方について意識しつつポスターや講演発表を視聴していたようです。

 

 

夜は大阪の割烹で、学会の感想など語り合いました。

 

 

今回も大変実り多い学会参加となりました。

医院に残って診療を担当してくれたスタッフにも感謝です!

今後学会で学んだ事を皆で共有し、当院のチーム医療をより進化させていきたいと思います。

5月の院内研修

関東の梅雨入りは今年は平年に比べてかなり遅く、6月中旬以降になるそうです。

 

 

医院の紫陽花は、梅雨が待ちきれずもう満開です!

多くの患者さんが写真を撮られていて、紫陽花たちも嬉しそうです(^-^)

 

 

さて今回のブログでは、5月末に行った院内研修のご報告をさせて頂きます。

 

 

今回は、4月末に行われた「第21回日本口腔ケア学会総会・学術会議」の講演から、スタッフで共有しておくべき内容を院長から解説しました。

 

 

院長は同学会の評議員を務めています。

 

 

 

「MA-T」とは日本語では「要時生成型亜塩素酸イオン水溶液」。

亜塩素酸イオンから必要な時に、必要な量の活性種(水性ラジカル)を生成させる事で、流行性ウイルスをはじめとするウイルスの不活化、様々な菌(細菌)の除菌を可能にするシステムです。

「MA-T」は優れた除菌作用があるにもかかわらず、無臭無刺激・生体に無害・発火性が無い・使用期限が長い、等優れた特性があります。

すでにコロナ禍以降様々な場所、例えば全ての国内線旅客機内の除菌等で利用されています。

 

このシステムに大阪大学歯学部の阪井教授らが着目し、口腔に活用する研究をされ、いくつかの口腔ケアのアイテムが製品化されました。

 

 

 

こちらのマウスクリーンジェルは、すでに当院の訪問診療・口腔ケアに活用している製品です。

高齢者は加齢に伴い唾液分泌機能が低下します。

胃ろうや点滴などで栄養を摂取して口から食事を摂らなくなると、さらに唾液の自浄作用と抗菌能力が低下し、口の中に汚れが蓄積されやすくなります。

誤嚥性肺炎の予防のためにも口腔内を清潔に保つ必要がありますが、固まった付着汚れを無理に取ろうとすると痛みが生じるため、ケアには時間をかけて慎重に行う必要がありました。

 

患者さんとご家族に画僧の使用許可を頂いています



ところがこのMA-Tのジェルを用いると、ジェル成分が汚れの内部まで速やかに浸透し、硬くなってしまった汚れが短時間で柔らかくなり、簡単に除去が出来ます。

初めてケアに使用した時は、スタッフから驚きの声が上がっていました。

使用を継続する事でウイルスや細菌の増殖が抑えられ、徐々に汚れが付着しにくくなる効果もあるようです。

 

今後は外来診療でも、外科手術後の歯磨きが困難な時期への使用や、口呼吸などが原因でお口の環境がなかなか改善しない場合など、様々な患者さんに活用していきたいと考えています。

 

 

ところで先日、当院は今の場所に移転して11年を迎えました!

 

 

今年もル・ミリュウさんでケーキをオーダーし、皆でささやかなお祝いをしました。

 

 

輿先生、素敵なお花を有難うございました!

歯科医療は日進月歩で進化しています。

新しい知識や技術を積極的に取り入れ、患者さんにとって最善の治療を追求していきたいと思います。

これからもスタッフ一同よろしくお願い致します!

 

 

鎌倉乳腺・歯科連携の会

遅くなりましたが、3月末に開催された「鎌倉乳腺・歯科連携の会」のご報告をさせて頂きます。

この講演会は、湘南記念病院乳がんセンターの医師を中心とした医師グループと鎌倉市歯科医師会が、周術期口腔機能管理を念頭に毎年開催しています。

 

 

第5回となる今回、当院院長が、「円滑な周術期口腔機能・医科歯科連携を進めるために〜歯科から医科への所望〜」との演題で講演を行いました。

 

 

癌の治療に用いる抗がん剤は、副作用として口腔粘膜炎を発症します。

口腔粘膜炎の重症化予防と痛みを軽減するためには、抗がん剤の投与前から継続して歯科によるお口の管理を行う事が大変有効です。

 

また、乳がんの治療を行う際、骨転移を防ぐために骨吸収抑制剤の投与を行う事がありますが、それにより顎の骨が破壊される「顎骨壊死」が生じる場合があります。

発症のリスクを低下させるには、骨吸収抑制剤を使用する予定があれば、予め口腔内を検査し、感染源を出来るだけ排除しておく必要があります。

講演では、重症の顎骨壊死を発生した当院の患者さんの症例などから、医師の方々に歯科との連携の重要性をご理解頂きました。

がん治療は5年10年と継続していきます。

生じてほしくはありませんが、再発等再び周術期となる可能性があり、それに備えて歯科医師はがん患者さんのお口を継続して管理していく事が重要になります。

 

また、現在の医科歯科連携の主なツールは、未だに手紙やファックスを用いている現状があります。

タイムラグを防ぎ円滑な連携を行うには、当院の訪問歯科診療でも活用している「医療ICT」(情報通信技術)を、周術期口腔機能管理においても導入が急務であるという事も提言させて頂きました。

 

今回院長と共に演者を担当された、湘南記念病院整形外科の和田先生による、骨粗鬆症と骨吸収抑制剤に関する講演も大変勉強になりました。

 

今後も様々な治療現場における医科歯科連携の普及がすすむよう、尽力していきたいと思います。

4月の院内研修

いよいよGWが始まります。

鎌倉の山々は鮮やかな新緑と野生の藤の薄紫に彩られ、目を見張る美しさです。

 


医院の植栽も花盛り!

 

 

 

大好きなドウダンツツジの枝が出回り始めましたので(待ってました!)、院内も外の植栽が続いているように、緑いっぱいに設えています。

 

 

さて今回のブログでは、先週行った4月の院内研修のご報告を致します。

今回の研修は盛りだくさんの内容でした。

長文になりますがお付き合い下さい。

 

 

まずは、当院でも設置しているAED(自動対外式除細動器)に関する研修でした。

AEDは一般の方でも簡単に使用できるよう、電源を入れれば音声ガイダンスが流れるようになっていますが、万が一の際に自信を持って的確な対応が出来るよう、今回改めて使用の流れを確認しました。

 

 

心停止の方に対し、救急車が到着するまでにAEDの使用と胸骨圧迫(心臓マッサージ)による救命処置を行う事で、何もしなかった場合に比べ救命率が2倍になるそうです。

院内外問わずこうした不測の事態に遭遇した際、医療従事者として全てのスタッフが率先して自然に体が動くよう、今後も研修を重ねていきたいと思います。

 

次に、歯科医師の後藤先生による「鎌倉市障害者歯科診療」についての研修がありました。

 

 

 

鎌倉市は、障害により一般の歯科診療所での治療が困難であったり、治療に特別な配慮が必要な方に対し、大学病院の障害者歯科専門医と歯科医師会所属の歯科医師が治療を行う「障害者歯科診療所」を開設しています。

後藤先生はこの診療所で月に2〜3日診療を担当しています。

 

 

 

障害のある方の歯科治療には、お一人お一人の特性を理解し、それに応じた配慮や工夫が必要である事、歯科疾患の状態だけでなくご家族との関係や生活環境をも理解するための「医療面接」が重要である事など解説して下さいました。

後藤先生は障害者歯科学会認定医の資格取得を目指し、現在大学病院での研修も受けています。

今後も学んだ知識や経験をスタッフと共有し、医院での診療でも活かして頂きたいと思います。

 

 

そして今回は、周術期口腔機能管理と医科歯科連携に関する研修もありました。

 

 

湘南記念病院乳がんセンターの医師を中心とした医師グループと鎌倉市歯科医師会が、周術期口腔機能管理を念頭に「鎌倉乳腺・歯科連携の会」という研修講演会を毎年開催しています。

先日行われた第5回のこの会において、院長が講師を依頼され講演を行いました。

鎌倉の多くの医科・歯科関係の方が参加され、講演後には数々のご質問や今後の医科歯科連携のありかたについて多くの意見を頂きました。

(講演の詳細については、後日改めてご報告させて頂きます。)

 

 

講演で話した内容の概略を、今回スタッフとも共有しました。

それを受けて歯科衛生士の中村さんから、現在当院で行っている周術期口腔機能管理に関して、通院中の患者さんの症例を元に解説してもらいました。

(患者さんの情報が含まれるため、画像の掲載は省きます)

 

当院は一昨年まで約7年にわたり、湘南鎌倉総合病院の血液内科病棟における周術期口腔機能管理を担当しました。

その経験を通じ、医科歯科の連携の大切さ、がん等の治療をスムーズに行うために歯科の担う役割が大変重要である事を深く認識しました。

 

そして、その際に院長やドクターと共に病棟の治療を担当していた中村さんが、この度「医科歯科連携・口腔機能管理」の認定歯科衛生士の資格を取得しました!

 

 

彼女の努力や苦労を見てきた私達も、とても嬉しく誇らしく思います。

おめでとうございます!

 

 

当院は歯科医療を通じ、ご縁のあった患者さん達の人生のサポーターでありたいと思っています。

そのためにこれからも学びを止めず、スタッフ一同努力して参ります。

最後までお読み下さり有難うございました。

 

当院のGW中の診療日はカレンダー通りになります。

4月29日、5月3・4・5・6日は休診とさせて頂きます。

よろしくお願い致します。

 

 

 

先月の院内研修

早くも初夏のような陽気の4月半ばです。

遅くなりましたが、3月の院内研修のご報告をさせて頂きます。

当院は診療時間を調整し、毎月院内研修・全体ミーティングを行っています。

 

今回はアース製薬の方より、洗口剤に関する研修をWEBで行って頂きました。

 

 

 

皆さま、お口のケアに洗口剤を使われていますか?

毎日の歯みがきに洗口剤の使用をプラスする事で、お口の細菌の増殖を抑制する事が期待できます。

口呼吸をする傾向がある方、歯周病がある程度進行している方などは特に、出来るだけ早く口腔内の細菌を減らす必要があるため、洗口剤の利用をお薦めしています。

 

 

歯科医院専売の、より優れた殺菌効果のある洗口剤の紹介がありました。

低刺激のノンアルコールタイプですので、お子様やご高齢の方もお使い頂けます。

 

 

1日ワンショットで24時間効果が持続する、手軽で高い効果が得られる製品の紹介もありました。

インプラント手術や歯周外科手術を予定している方に予めこの洗口剤を使用して頂く事で、術後感染を抑制し手術部の治癒促進効果も期待出来そうです。

 

ただ注意すべき点は、洗口剤を過信しすぎない事です。

オーラルケアの基本は正しい歯みがきによる歯垢の除去です。

その事も皆さまにきちんとお伝えした上で、今後患者さんに合ったものをお勧めしていきたいと思います。