当院は、地域の多職種連携の療養・介護のチームに所属しています。
医師・歯科医師・歯科衛生士・看護師・介護福祉士・管理栄養士・ケアマネジャー・理学療法士・言語聴覚士・薬剤師など様々な職種で構成されたグループです。
在宅医療での連携に加え、月に一度「湘南おおふなクリニック」にて勉強会が開かれ、ゲスト講師の方の講演を聞いたり情報交換を行っています。
先週末の勉強会に、当院の2名のスタッフとともに参加しました。
今回は、湘南記念病院副院長の浅川先生が「心不全」に関するお話しをして下さいました。
「心不全」とは、心臓のポンプ機能が低下して、体に十分な血液を送り出せなくなった状態をさします。
肺や全身に必要な量の血液が行きわたらなくなるため、他の臓器に異常が起きたり、心臓が正常に働かなくなるといった現象が起こります。
こうした心臓疾患は年々増加傾向にあり、現在ガンに次いで日本人の死亡原因の第2位となっているそうです。
心不全は一旦症状が出ると一段階ずつ悪化をたどり、たとえ症状が治まったように感じても、元の健康な状態に回復するのは難しいと言われています。
そのため、浅川先生は心筋の異常が出る前に心不全のリスクに気づき、早期対応する事が重要だと強調していらっしゃいました。
リスクの早期発見にとても有効なのは「NT-ProBNP」と「eGFR」の2種類の血液検査だそうです。
「NT-ProBNP」検査とは、NT-ProBNPという化学物質が、心臓の負担が大きいほど多く分泌される事から、軽度の心疾患や心不全の発見に役立ちます。
「eGFR」検査とは、腎臓がどのくらいしっかり働いているかを示す検査です。
慢性腎不全になると心不全を合併し、腎不全の患者さんの死亡原因のトップとなるためです。
数千円の負担ですむ上記の検査を定期的に受けて、ご自分の心不全リスクの有無を確認し、早めに対応する事。
毎日の生活習慣を改善する事。
それにより、心不全を発症前に防ぐ事が可能になるそうです。
心不全はごめんでござる!『忍者ハットリくん』と啓発プロジェクト開始!
浅川先生は「かまくらハートリング~地域で広げよう心不全予防の輪〜」というプロジェクトを通じ、心不全を予防し健康寿命を延ばす活動を行われています。
当院は、フレイル(全身の虚弱)の入り口となる「オーラルフレイル(お口の虚弱)」を防ぐ事で、高齢になっても元気で自立した生活を送って頂く事を目指しています。
こうした勉強会に参加させて頂く事で、同じ志を持つ多くのプロフェッショナルの方にお会いする事が出来、大変心強く感じます。
これからも多職種連携で地域の健康を支えて参ります。