第17回日本口腔ケア学会学術大会参加のご報告

ようやく猛暑から解放され、過ごしやすい週末になりました。

今回のブログでは、先日長崎で開催された「第17回日本口腔ケア学会学術大会」のご報告をさせて頂きます。

今学会には当院もポスター発表の演題を出しており、当初は副院長や歯科衛生士スタッフも参加する予定でしたが、コロナ感染の現状を鑑み院長の私1人が赴きました。

 

今学会そのものも、コロナの影響で開催の是非が検討されていました。

しかし、今年7月に政府で閣議決定された「骨太の方針」で、口腔ケアを含めた新型コロナウィルス発症予防の研究の推進が盛り込まれており、コロナ禍においても学会の活動を継続することの重要性が再確認された事から、延期・縮小の上9月2日・3日に開催の運びとなりました。

 

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口腔ケアとは、口腔の疾病予防、健康保持・増進、リハビリテーションによりQOLの向上を目指すものです。

学会は、医師・歯科医師・看護師・歯科衛生士・言語聴覚士その他様々な医療職・介護職の会員から構成されており、学術大会は多職種が交流し意見交換する貴重な機会となります。

国や社会から急速な普及と発展が望まれている周術期口腔機能管理と高齢社会における口腔ケア推進のためには、このような状況でもWEBだけではない学会開催が必要と思われます。

学術大会運営委員の方々、学会理事の皆様の勇気ある判断と、開催までのご尽力に感謝いたします。

 

 本大会のテーマは「見たい・言いたい・聞きたい 口腔ケア」でした。

口腔ケアについて蓄積された知見を参加者間で共有し、口腔と全身の健康増進について、さらに詳細なエビデンスが構築される機会となることが期待されていると感じました。

また、日頃当院が担当している血液内科における周術期口腔機能管理に関するコンセンサスカンファレンスや、対応に苦慮する薬剤関連顎骨壊死、口腔乾燥症に関するシンポジウム等、興味ある課題の最新知見を得る事が出来ました。

 

 

今回当院は、『協力歯科医院との医科歯科連携体制で行っている湘南鎌倉総合病院血液内科病棟における周術期口腔機能管理について』という演題でポスター発表を行いました。

 

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 2015年から湘南鎌倉総合病院血液内科病棟で行ってきた周術期口腔機能管理の実績と、今後の課題についてまとめた内容です。

全国の歯科を併設していない総合病院において、周術期口腔機能管理は大きな課題とされています。

当院の取り組みが今後の参考となれば幸いです。

 

シンポジウム等の会場での質疑応答において、医科歯科連携を円滑に行い医科からの期待に歯科が確実に応えていく仕組み作りや、周術期口腔機能管理を担う歯科衛生士の卒後教育、口腔乾燥症患者の口腔ケアの実際等、いくつか質問や意見を述べさせていただきました。

座長やシンポジストとの意見交換も出来、大変充実した時間となりました。

 

日程最後のセッション終了後、学会の理事長先生がお声掛け下さり、光栄な事に次年度より学会評議員への就任を依頼されました。

周術期口腔機能管理に取り組む一般開業医の考えも学会に反映していきたいとのお話でした。

今後この分野の発展に、私も微力ながら貢献できたらと思っております。

 また、学会で得た多くの情報や知見を、今後当院の口腔ケアに生かして参ります。

 

発表したポスターを当院HP上に掲載しています。

当院の院外活動、また周術期口腔機能管理についてご理解頂く為ご覧下さい。

 

鎌倉市山崎のまちの歯医者さん「医療法人 樹会 いがらし歯科医院」