口腔ケア学会のご報告

11月12日、九州福岡で開催された「第23回日本口腔ケア協会学術大会」並びに「日本口腔ケア学会秋季大会」に参加してきました。

その間医院は、ドクターとスタッフが留守をしっかり守り診療を行なってくれました。

 

 

 

 

 

 

今学会のテーマは「ニューノーマル時代における口腔ケア」でした。

 

手術を伴う治療前後に歯科が介入して行う「周術期口腔機能管理」が保健適用になり10年が経過し、歯科がある総合病院においては徐々に普及が進んでいます。

しかし、歯科を併設する総合病院は全体の20%に過ぎず、未だ多くの患者さんは「周術期口腔機能管理」を受ける事なく入院・手術に臨んでいます。

 

また、病院内に歯科口腔外科が設置されていても、あくまでも歯科治療や手術が中心で、周術期口腔機能管理に重きをおいている所が少ないのも現状です。

病院経営上の理由やマンパワー不足など様々な理由があるようですが、残念な事です。

 

「周術期口腔機能管理」を行う事で術後感染抑制・術後の早期回復が実証されており、その結果入院日数が短縮されます。

その事は患者さんのためにも、病院にとっても大きなメリットになります。

こうした医科歯科連携の効用はまだ医師や病院経営に携わる方々に十分浸透しておらず、速やかに普及が進まない要因となっているようです。

 

 

特別講演の演者の先生の病院では、歯科口腔外科とは別に周術期口腔機能管理を主に行う歯科があり、大きな成果を上げていました。

 

 

 

 

入院患者さんの口腔ケアが、病院における“ニューノーマル”となるよう、学会が提唱する「歯科のない病院への口腔ケアセンターの設置計画」が今後全国的に進んで行く事を期待します。