歯周病・糖尿病 医科歯科連携講演会(院長)

〜医科が口腔を語り、歯科が全身を語る〜 と題した講演会に常勤Dr.3人で参加してきました。私が特に聞きたかったのは鶴見大学歯学部探索歯学講座 花田信弘先生と、糖尿病の専門医でいらっしゃる西田 亙先生のお話でした。

花田教授の講演は「歯周病を含む生活習慣病の発症予防・重症化予防対策」についてでした。有効な対策として
*医師と歯科医師が地域医療を基盤とした連携システムを構築し、糖尿病と歯周病のスクリーニング(発症者・発症が予測される方の選別)を行う。
*かかりつけ医・歯科医で日常的に地域の方々の健康を管理サポートしていく。そうすることで『生涯現役社会』を構築することができる。
という、これからの地域医療の進むべき方向性を示しております。

糖尿病の専門家たる西田先生は、「口腔感染制御の重要性」について内科医の立場から説いて下さいました。
*日本人が自発的に歯科へ定期通院するようになるために”口腔感染症の恐ろしさ”を国民に広く知らしめる必要がある。
*糖尿病は炎症を通じて歯周病と密接に関連しており、歯科衛生士の日々の歯周病治療がインシュリン注射にも勝る劇的な効果をもたらし得る。
*あまり知られていない震災後肺炎もまた、口腔感染症をきっかけとして発症し命を失う危険も伴う… 等についてご紹介下さいました。

当院では地域の皆様の歯とお口の健康をサポートする事で、全身の健康の維持増進に繋がる取組みを進めています。
時代と社会のニーズに対応してこのコンセプトをいかに進展させていくかを検討しているところであります。

本日の講演会で、私たちが取り組んでいる課題を解決するための多くのヒントを得ることができました。

これまでの「病気を待つ立場の医療」から「健康を作り出す医療」を行う歯科医院となるために、健康日本21(21世紀における国民健康作り運動)に掲げられた「栄養・運動・休養・歯の健康」にいかに早期から介入し、継続していくかが問われています。
その素養を備え、「ライフコースアプローチ」(生涯切れ目のない健康指導・管理)ができるようにしていきたいと思います。