診療所周りには四季折々さまざまな花が咲きますが、中でも最も華やかなアジサイの季節がやってきました!
ご来院される患者さんも、口々にお褒め下さいます。
これから梅雨に向け次々に開花し、花色が変わっていくアジサイを、どうぞお楽しみ下さい。
さて先週火曜日、定例の全体ミーティングと院内研修を行いました。
今回はまず、患者さんからのご相談も多く、必要性を実感している「噛み合わせの調整」の治療に関する研修を行いました。
噛み合わせの不具合は様々な要因で生じてきます。
歯は生理的に摩耗し、その度合いは個々のお口の状況や習癖により異なります。
歯に金属やセラミックなどの人工材料の被せ物がある場合、自身の歯と違って摩耗がほとんどないため、装着してから数年するとだんだん噛み合わせが強く(高く)なる、または知らないうちに顎をずらして噛み合せるようになってしまいます。
このような変化から様々な症状が表れるため、それを見逃さないよう、今回噛み合わせの評価表を作成しました。
評価に基づき早期に対処することで、知覚過敏症状・噛合せの痛み・詰め物の脱離・歯の動揺・顎関節のズレなどを未然に防ぐことができるようになります。
さらに、今後被せ物や詰め物の治療を行う際は、噛み合わせの評価を行い、その結果に基づきバランス修正を済ませてから治療を進めるように致します。
それにより、補綴物の装着感が良く長持ちするようになり、再治療を減らす事が出来ます。
今回の研修では引き続き、先日開催された「日本口腔ケア学会学術大会」において医院全体で共有しておきたい講演内容があり、オンデマンド配信されたものを視聴しました。
県立広島病院 生育医療センター産婦人科の三好博史医師による「歯周病は早産の原因になるのか~歯周病早産モデルマウスから分かったこととヒト早産予防への展開~」という講演です。
歯周病に感染させたマウスが高確率で早産になることから、詳細に調べていくと、胎盤や卵膜に歯周病菌のコロニーが確認され、それにより生じた局所炎症が早産を引き起こす事が明らかになりました。
この現象はヒトで早産となった方の胎盤・卵膜にも認められ、歯周病菌と早産の関連性についてより確かなエビデンスが示されたという内容でした。
これまでは妊婦が重度の歯周病にかかると、炎症物質である「サイトカイン」が血中に増え、その刺激で子宮収縮を引き起こすと考えられていましたので、歯周病菌が直接胎盤に住み着いて早産を引き起こすという今回の研究結果は私達にとっても驚きでした。
当院は「湘南鎌倉バースクリニック」の協力歯科医院となっています。
今回の研究結果に触れ、妊婦さんの口腔ケアへの責任をより強く感じています。
さらに妊娠する前、すなわち若い世代のうちから歯周病予防を行う事が将来的に早産予防につながります。
今後外来の患者さんにも、積極的にこうした最新の情報を提供していきたいと思います。