今週火曜日、定例のミーティングと院内研修を行いました。
診療時間の短縮にご理解とご協力を頂き感謝致します。
今回の研修の内容をご紹介させて頂きます。
しっかり噛めない、うまく飲み込めない、滑舌が悪くなる、といった口腔機能の衰え (オーラルフレイル )を放置する事により、全身的な機能低下 (フレイル )や認知機能の低下が進んでしまう事が明らかになっています。
そのため、その兆候を見逃さず、機能訓練によってオーラルフレイルの進行を止める事が大切になります。
お口の機能を評価する検査にはいくつかありますが、今回は主に「オーラルディアドコキネシス」と「舌圧測定」についての研修を行いました。
「オーラルディアドコキネシス」とは、「パ」「タ」「カ」のような音を、一定時間内で出来るだけ早く発音してもらい、回数やリズムを測定する検査です。
この検査結果から、舌と口唇を滑らかに動かす機能を評価する事が出来ます。
「くちけん」というアプリを使い、スタッフも測ってみました。
一秒間で4回以上発音出来ていれば健常値とされています。
ゲーム感覚で行えますので、ぜひ一度お試し下さい。
このアプリはデータが保存されるため、発音回数などを継続的に比較する事が出来ます。
トレーニングの成果が良く分かるため、患者さん達が意欲的に取り組んで下さると、訪問スタッフから報告がありました。
こちらの舌圧測定器は、握力を測るように舌の力を数値として測定する機械です。
舌の力が衰えると、食事の際に食べこぼしたり、むせたりし、充分な栄養を摂れなくなります。
この測定器で舌圧を測定する事で、誤嚥のリスクの有無、リハビリ後の機能の回復度合などを確かめる事が出来ます。
スタッフも実際に体験しました。
低い数値に慌てたり、高く出て喜んだり(^-^)
外来でも口腔機能低下症の治療を行なっていますが、残念ながら自覚があって来院される方はごく僅かです。
我々が、通常の歯科治療で来院された患者さんのオーラルフレイルにいち早く気づき、改善・回復の必要性をお伝えする事が大切です。
新型コロナウィルス感染拡大による自粛で高齢の方が外出を控えるようになり、運動不足や人との交流が減る事による心身の衰えが懸念されています。
この状況において、私達の果たす役割は今まで以上に大きなものであると考え、外来診療でも訪問診療においてもオーラルフレイルの兆候を見逃さないように診察しています。
スタッフ皆が知識とスキルを身につけられるよう、今後も研修を重ねて参ります。
鎌倉市山崎のまちの歯医者さん「医療法人 樹会 いがらし歯科医院」