オーラルフレイルの予防に関する取り組み

関東も梅雨明けし、いよいよ夏本番です。
スタッフのブログにもありましたが、診療所は一日中元気な子供達の声で賑やかです。
この時期はご予約の患者さんに加え急患の方も多く、一昨日などは1日の来院患者さん・湘南鎌倉総合病院での往診の患者さんを合わせて100名を超えました。
しかし、長時間お待たせする事もなく皆さまにご満足頂ける治療と対応が出来たのは、ひとえにスタッフ皆の頑張りだと感謝しています。


さて、今回は当院の診療目標の大きな一つ「オーラルフレイルの予防」について書きたいと思います。

オーラルフレイルとは、年齢を重ねるにつれ歯や口、そして喉の機能が弱っていく事を意味します。
噛む力・飲み込む力・発音する(話す)力の衰えです。
それにより食の偏りや誤嚥性肺炎、認知機能の低下を招き、介護が必要な状態へと進んでしまうのです。

ただし、こうしたフレイルは早めに気付き対応する事で健康な状態に戻す事が出来ます。
そこで私達歯科医院が大きな役割を果たす事となります。


先ごろ当院で、120名の65歳以上の患者さんを対象に「オーラルフレイル調査」を実地しました。

検査項目は、残歯数・物を噛む力・物を飲み込む力、それに加え身長・体重・BMI(体格指数)など多岐にわたります。

その結果、オーラルフレイルに傾きつつあるとの結果に該当した方が13名いらっしゃいました。

オーラルフレイルに対応するには、口腔機能の回復が重要になります。
失われた歯を補うには、しっかり噛める義歯の装着やインプラント手術。
そして何よりこれ以上ご自分の歯を失わないための指導や管理。
嚥下機能回復のためには、姿勢や呼吸の指導や喉の筋肉を鍛える訓練。
他にも、咀嚼の際に大きな役割を果たし、他にも様々な有益な働きをする唾液の分泌を促すための指導等です。

今回オーラルフレイルに気づく事の出来た13名の方々には、今後適切な治療・対応をさせて頂きます。
また、調査を通し私達も改めてフレイルの概念を理解するとともに、リスクのある患者さんの傾向も掴めてきたように思います。

本来オーラルフレイルの予防はフレイルに傾く以前から始めるのが理想です。
当院では今後も「お母さんのお腹の中から始まり、生涯にわたるむし歯・歯周病予防」を徹底して参ります。
また、日々の診療で患者さんのフレイルを見逃さないためのスキルをスタッフ間で共有していきたいと思います。