歯の健康のために質の良い睡眠を (院長)

歯に痛みを感じる原因は主に「むし歯や歯周炎」と思われていますが、意外と就寝中の噛みしめ・歯ぎしりによる負担オーバーにより“ねんざ状態”となって痛みが生じている場合が多いのです。

普段食事をしているときの奥歯1本あたりにかかる負荷は数百g〜数Kg程度です。硬いフランスパンやスルメを噛んだとしてもせいぜい15〜20Kg程度です。

ところが、寝ている間の歯ぎしりでは自分の体重の2〜3倍、すなわち100〜160Kg位の負荷がかかっています。しかも1〜2分ものあいだ間欠的に噛締め続けてしまうので、1日3食でかかる負荷の数百倍の力がかかってしまう計算になります。痛みが生じない筈がありません。

歯ぎしりは睡眠深度が浅い時にしています。深い眠りに入ってしまうと歯ぎしりはしません。
深い眠りに入るためには様々な要件がありますが、就寝する直前までパソコンやスマホ、ゲームなどのモニターを見ることで、脳は視覚的刺激を受け無意識に興奮状態となり深い眠りに入れなくなってしまいます。結果歯ぎしりをして歯に負担を強いることになります。

歯ぎしりによる負担オーバーは歯の破折、摩耗促進、詰め物・銀歯が外れる、また、知覚過敏や歯周病の症状を増悪させてしまい、歯とお口の健康に悪影響をもたらしてしまいます。

すでに歯ぎしりで歯に症状が出てしまった場合は「ナイトガード」というマウスピースを就寝中に装着して歯を守る方法もあります。

でも根本的に歯ぎしりをしなくするための治療法ではありません。

歯ぎしり頻度を下げるためにはやはり深い眠りにつくことが大切です。

質の良い睡眠をとるには様々な“コツ”があります。この“コツ”を身に付けると歯科医院に通う回数を減らすことができますし、深い睡眠は全身の健康にとても大切です。
質の良い睡眠をとる“コツ”、是非とも身に付けて頂きたいと思います。
ご心配な方はぜひ1度ご相談下さい。